今、いわきの海を眺めながら待ち合わせ時間に来ないお客様を待っております。
前回の記事を書いていて思い出しましたが、数日前Gさんとの電話で下記のことを言いました。
エンジョイスタイルの肝は徹することが出来るかどうか?だと思ってます。
と話したところ、正にその通りだと言われ間違ってはいなかったと嬉しくなりました。
そして前記事の今日の電話。
どんなコーチでも言うとおりにやっていれば良いのだなんて毛頭言うつもりはありません。
が、エンジョイスタイルは徹することが出来るかどうかが分かれ目なので、その点について認識の甘さは致命的になると予想しているのですね。
語弊を恐れずに悪い面だけを言えば、エンジョイスタイルはやり始めたら突き詰めるしかないスタイルであり、一瞬でも疑い徹することが出来なければ全て悪いほうに出てくるスタイルです。
向上心が故にアレもコレもソレもとなれば全てが狂い、二兎追うもの一兎を得ずが定番になります。
何故か??
例えば、L字ガードは左手を腕を下げて、右手も顔を守っている訳ではありません。
更に、世界では通用するけど日本では通用以前に「基本じゃないからなんとなく嫌われる」というマイナスポイントが付きまといます。
ただ、世界となるとこれが必須です。
だからこそ世界に絡むまではスキルによって圧倒的に勝利をしなければ日本を出る前に潰されると言っても過言ではないのです。

まずは、そんな背景がありつつ??
実際のスタイルやボクシング的な要素から見た場合どうなるか??
画像の通り、顔は左右共に守られていません(必要なときに必要なガードがあれば良いという考え方)。
ここで大事なのが適材適所のディフェンスと距離ですが・・・
例えば、このスタイルのガードの低さを弱点と捉え「このスタイルじゃ勝たせてもらえないから、この構えのまま、ある程度前に出よう」のようになるとします。
そうなれば、相手からしたら「ガードの低い奴が近い距離に居るOR前に出てくる=イケーーーー!!」と精神的に優位に立たれてしまうことが容易に予想されます。
そこからガードを含む被弾をすれば相手は調子付きますし、特に日本のジャッジの印象は最悪です。
ここが分かれ道だと思っていましてね??
こうなることを予想した上で圧倒的なスキルで圧勝することが出来るレベルまで磨き上げるのか??
信じ切れず軌道修正という名の「徹することが出来なかった言い訳」をし、目の前の勝ちを優先し、中途半端なスタイルに落ちぶれてしまうのか??です。
Gさんに聞きましたら「昔、奥様にこのスタイルじゃ勝たせてもらえない」とぼやいた選手がいたそうな。
実際に、ジムを辞めそのスタイルを捨てたらアマでは勝ち星を増やし→プロデビュー戦で痛烈な倒され方をしてKO負けだったと。
徹しきれなかった最悪のパターンだと私は思います。
向上心がゆえのただの血迷いになってはいないか?見極める必要はありますよと。
向上心が故に、アレも取り入れていこうコレもソレもというのは悪いことではないですが、ソレがもし、「距離を詰めよう」「手数を出そう」「先に当てよう」「倒してやろう」というようなエンジョイスタイルの根幹部分から逆行していることであれば相性は最悪なのですね。
儲け という漢字は 信+者=信じる者が儲ける なんてことを本で読みましたが、ボクサーとしての儲けである勝利を逃しますよということです。
勝ち負けじゃない、スタイルを磨き上げればおのずと見えてくるものというのはこういう理由です。
先日の世界戦、世界チャンピオンになった選手のインタビューが昨日ネットニュースに流れていました。
それまでの展開はというと、11Rめまで圧倒していた→その選手が12R倒しに行って逆襲に遭い→あわやKO負け寸前でゴングに救われた→インタビューでセコンドに倒しに行くぞと言われたと。
エンジョイスタイルはそのまま安全に圧倒すれば良いというスタイルです。
そして、セコンドは元世界チャンピオンです。
選手時代にそういう気の強さがあってこその世界だったということは確実にありますが、選手を窮地に追いやったのは間違いなくセコンドだと思います。
・距離を詰めよう→触らせることすらしない
・手数を出そう→必要最小限
・先に当てよう→後出しジャンケンは絶対に負けない
・倒してやろう→例え倒れても10カウントじゃないなら危険を犯して倒しに行かない
がエンジョイスタイルです。